2015年3月20日 あなたへ

今年の3月

あの人へ宛てた記事

結局あなたが「消さないでいい」って言ってくれたから

日記もTwitterも続けてるけどね。

LINEを消したときに消えたタイムラインの記事

もういちど

残しておくよ

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この日記が

きっと私の遺す、最後の記事になるでしょう

18歳の頃からインターネット上に日記を残し続けて

もう10年以上の月日が流れたのですね

飽き性な私の中では

とてもよく長く続いた習慣だったと

この12年間を振り返って

何の取り柄も無い自分を少しだけ、誇らしく感じたりしています

私はこうして

日記を書く事が大好きでした

日記を書いてるときは

自分の気持ちと向き合う事が出来ました

確かに幸せだった日も

どんなに辛くて

心が死んでしまったと

鎖された日も

途絶えず

ずっと

いつかの私の為に残し続けた日記

時間は流れて

世界は変わってしまっても

人、

心、

意思、

たくさんのものが

変わっていってしまっても

日記に残し続けた想い、

感情、

人生は

私の教科書であり

生きた記録であり

代えがたい宝物でした

そんな大切な、

大切な日記の最後の題材に

あなたを選ばせてください

誰よりも

何よりも

大切に想いたいあなたへ

私の12年間の締め括りを捧げます

2007年

4月30日

私はあなたと出逢いました

それは何の気ないこと

インターネット上で

何処にでもある

ありふれた出逢いの中のひとつだったでしょう

当時の事を

事詳細に覚えてやしないけど

あなたと出逢った日を覚えているということは

私にとってあなたが

出逢った日から特別な存在だったからだと思います

私が名古屋を出て

豊橋に行く事を決めた時

あなたが私にくれた言葉

忘れてやしません

結果、私が途を誤ってしまった時も

最初の元夫と別れたいと考えた日も

消えてなくなりたかった日も

彩を妊娠した時も

弥が産まれた時も

二人目の元夫と別れた日も

あなたは遠くても

私の心の隣に

いつも寄り添っていてくれました

私は自分の事に手がいっぱいで

あなたの言葉に

ろくに返答もせず

それでも何度も

何度もあなたは

私に必要な言葉を与えてくれました

今思えば、

あなたの言ってた事に

間違いなんて無かったのにね

そんな言葉をあなたに与え続けられ

幾らでもやり直しが出来た筈なのに

私はあの頃から何も変わらず

身勝手で、

軽率で、

薄情で、

嘘吐きで

どうしようもなく

最低で

2008年

7月23日

名古屋のとある駅の出口左側

遥々、来てくれたあなたを迎えるなら

素直に改札で待っていればいいのに

自分に自信が無くて人見知りの私は

会うその直前まで

あなたの前に姿を見せるのが本当に嫌で

本音を言えば何も言わず帰ってしまいたいくらいで

それもそうはいかないから

出口の左側の壁際に

座り込んで隠れる様にあなたを待った

「はじめまして、いつもお世話になってます。」

そう最初に伝えなきゃと考えながら待っていた私が

最初に口に出した言葉はそうではなかったね

聞いてはいたけど

あなたは思うより背が低くて

背が低い人が好きな私は照れていたんだと思います

それを誤魔化すみたいに

必死になって出した言葉が

私の最初の言葉でした

照れくさくて

顔をまともに見る事も出来なくて

この頃の私に

あなたの顔の記憶は無い

あるのはあなたが

私の矛盾だらけで

隠し事だらけの話を

静かに聞いていてくれた記憶

それから何度か

あなたと貴芳さんと私の3人でカラオケに行きましたね

何度か会っても

相変わらず、

私はあなたの顔を見る事が出来ません

カラオケの中で話をしてる時も

私は貴芳さんとばかり話をして

あなたに自分から話し掛ける事が出来ませんでした

いつでも会えるほど身近ではないのに

あなたともっと話をしたかったのに

いつも静かで仏頂面のあなたに

声を掛けようとしても

喉が詰まってしまって

気付けばもう帰りの時間

今日もまともに話せなかった

そう思いながら

あなたの車を降りて

あなたと貴芳さんに手を振る

「今日はありがとうございます。また。」

元気なだけの

素っ気ないいつもの挨拶

精一杯の挨拶

車を降りて

家に着くまでのほんの短い距離で

暮れなずんだ空を見上げては

次にあなたと会うときは

もっとたくさん話せたらいいと

次に会ったときは何を話せばいいかと

手を振ってお別れしたばかりのあなたへ

話し掛けるきっかけをさがしてた

不思議には思ってた

どうして私はあなたの顔を見る事が出来ないんだろう

どうして話し掛ける事が出来ないんだろう

男相手にいまさら照れるほど私は純粋では無いし

話せなくなるほど無口でも無い

仕事では初対面で知りもしない男とでも

何時間も絶えず楽しい振りをしながら話せる私が

対あなたとなると

明るく笑って、冗談交じりに話し掛ける事が出来ない

その答えがずっとわからないまま

暫くしてあなたは福岡に帰っていった

いつもの様に車から降りる直前に

まだ赤ちゃんだった彩の足を

いつもの仏頂面で

少しのあいだ撫でていたあなたに

微かな違和感を感じながら

私はまたいつもの挨拶をする

「今日はありがとうございます。また。」

車を降りて

涙が流れても

私はまだ知らない

どうしてあなたの顔を

見ながら話し掛ける事が出来ないのか

あのとき、

最後に伝えなきゃ

伝えなきゃって

カラオケの最中もそっちのけで考えてた言葉を

口に出せないまま飲み込んで

ずっと不思議に感じてた疑問の

答えを知る事ないまま

私は私の

いつもの人生に帰る

家までの短い距離

紫陽花の咲く道の途中

いつもより少し長く

ぼうっと空を眺めながら

2014年

7月27日

何年か振りにあなたに会った

この日は貴芳さんも居ない

だからやっぱり

私はあなたに会う直前まで

あなたに会うのが嫌で

どうやって言い訳して

会わない様に断ろうって

久し振りに会ったあなたの顔を

出逢いから何年経っても見る事が出来ない私

貴芳さんっていう逃げ場も無いから

私はいつもより饒舌で

話し続ける事で沈黙を避けた

大須に住んでて

大須が好きなくせに

方向音痴な私は

あなたが食べたがっていた

パフェが食べられる喫茶店を見付ける事が出来なくて

どうしようって焦りながら

無意味に大須商店街の中を歩き回ったりして

仕方が無いから

パフェを諦めてカラオケに入った

小さい箱だったから

向かい合わせに座れる席が無くて

嫌だなと思いながら

あなたの隣に座った

だいぶ距離を空けたけど

それでも居づらくて、

あなたの隣に座りたくなくて

余計と会話がしづらくなる

息苦しさを匿うみたいに

うたスキ動画に夢中になったふりをして

曲の合間、合間に

あなたが話し掛けてくる

不意打ちだったとき

つい油断して

私はあなたの方をまともに向いてしまった

笑ってた

うたスキの操作方法を知らないと言って

私に操作方法を聞きながら

あなたは笑っていました

いつも仏頂面で

聞き取れないくらい小さな声で

まともに見た事が無かったあなたの顔

最初にまともに見たあなたの顔は

笑っていました

声は相変わらず小さいし

滑舌が悪くて何を言ってるかわからない事があるのは変わらないけど

思い返せば見た事も聞いた事も無い声と顔で

あなたは隣で

私に暗い話以外の話をしていたんです

最初に

競馬場前駅

荒子川公園で話した時の

大人にしか見えなかったあなたとは

全く違う

子どもみたいな顔で笑うのです

心臓が跳ねました

見てはいけないものを見た気になりました

カラオケを出て

大須商店街の招き猫の下

暫く話をしていたら

私の門限の時間

暗い話以外で

こんなにたくさん話をしたのは

この日が初めて

行きはあんなに行きたくなかったのに

帰りはまだ

あなたと話をしていたいと思ってた

上前津の駅の階段で

私はまたいつもの挨拶をする

「今日はありがとうございます。また。」

いつもは見送られる私だけど

この日はあなたが階段を降りて行くのを見送った

次に会ったら何を話そうって

いつもの物思いにはふけらない

ただ、

小さく

心臓がなり止まなくて

気付いてしまったんですよ

私があなたの顔を見る事が出来ない理由

あなたに話し掛ける事が出来なかった理由

私はあなたに

惹かれている事を認めたくなかったんだ

あなたを好きになってしまう事が

怖くてあなたを見る事が出来なかった

もう

ずっと

何年も

そう考えたら

全ての事が繋がって

同時に、

あなたや貴芳さんとの関係を

裏切ってしまったんだと

罪悪感に苛まれて

あなたの誕生日のお祝いより少し前

私の最初の嘘が始まった

あなたへの気持ちを隠し、

裏切り者にならない為に

裏切る途を選んだ

本当の理由も告げずに

あなたと縁を切りたいと

そんな

自己愛に満ちた

何度繰り返しただろう

何度傷付けただろう

あなたを傷付けるもの

全て私の弱い心

傷付けるのを恐れて

それを断ち切る為にと宣い

傷を付けるばかりの私は

やる事なす事空回りで

あなたが私にくれた言葉も

あなたが私にしてくれた事も

私の弱い心が

総てのあなたにモザイクをかけていく

私の心には悪魔が棲んでいて

大切になればなるほど

あなたが見えなくなっていく

本当は見えないのではなくて

私が目を背けているだけなのに

些細な感情の波は

あなたのこれまでの総てを台無しに、

無駄に変えて廃棄物にしていった

何度も

何度も

何度も

あなたは私を救い、

私はあなたを裏切り

何度も

何度も

何度も

あなたはそんな私を

それでも掬い上げようとして

自分だけが只管に傷付いていった

目には映らない血が

何度流れてたんだろうか

私の愛したがった笑顔は

守りたがった笑顔は

私の言い訳みたいな作り笑顔の陰に

犠牲になって消えていった

笑顔も

心も

未来も

総て殺して

それでも私はあなたにエゴを押し付ける

信用出来ない弱さを

それから拡がった癌を

あたかも、

自分が被害者の様な顔をして

痛い

痛い

痛いと

自分の癌の原因を

あなたの所為だと押し付ける

自分に置き換えたら

わりと簡単に出る筈の答え

だけど私は

その変換さえ怠って

何度もあなたを傷付ける

あなたの嫌がるもの

何も満足に排除出来ない

本当に気が付かない事や

忘れてしまっていた事もある

だけどそれも

自分ならと変換すれば

きっと気付けていた筈のこと

あなたの為にと

離れたがり

あなたの為に

あなたから離れないという約束を

果たす選択から逃げる

逃げて

逃げて

信用からは程遠くなって

それでも耐えるあなたに

追い討ちをかける様に

離れたがる裏切りを繰り返した

あいつのところへ戻る?

戻れもしないくせに

口をついて出た

軽率な言葉は止まらない

もうそれを言ってる自分でも訳がわからない

ひどい事ならこれ以外にも幾つも口にした

だけどこれは最も鋭利で

卑劣な凶器だ

知っていながら私は

その凶器を棄てない

動いたら知らないから、と

薄ら笑顔で

あなたの居場所を奪っていく

既にそれは愛情とは程遠く

ただ苦しめていくだけの

何の価値も無い

捏造された愛情の証拠へ変わっていったね

それは同時に

殺人の証拠にもなっていたよ

ある日の夢の中

夢の中の私は

ほんの一歩下がった位置で

いつもあなたの左側を

手を繋いで歩いています

今日もあなたと

あなたの左側を歩く予定です

私にはお父さんがいません

だから今日は

あなたの待つ場所まで

私はひとりで歩かなければいけません

今までたくさん

人並みに辛い事はありました

もう歩けないと

立ち止まった事もありました

途に迷って

出口を探す毎日でした

そんな記憶を

一歩、

一歩

噛み締めながら

私はこの

あなたへと続く途を歩いていきます

本音を言えば、

振り返らずに生きてきた訳では

決してありませんでした

私には荷物が多過ぎて

たくさんのものを壊し過ぎて

幸せになる権利があると思えなかったからです

俯きながら歩く私も

もうすぐあなたの待つ場所へ辿り着きます

俯いたまま

やっぱり私はあの頃の様に

あなたのほうを向くことが出来ません

あなたの手前で

私は足を止めました

そんな私に

あなたは左手を差し出します

あのとき、

私の呪いを解いた

大切な左手です

差し出された左手に気付いた私は

俯いた顔をあげて

あなたの居る方向を見ました

笑っていました

私はあなたの左手をとり

あなたの隣へ列びます

あなたに似た

真白色の光の中で

何度も挫けた人生だけど

私はその人生で初めて

最初で最後

神様の前で永遠の愛を誓います

健やかなるときも

病めるときも

歓びのときも

哀しみのときも

富めるときも

貧しいときも

これを愛し

これを敬い

これを慰め

これを助け

その命ある限り

真心を尽くすことを 誓いますか?

「はい。」

「誓います。」

さて

そろそろ私の

長い様で短かった12年間が

了わりの時を迎えようとしています

あなたへ償う方法を

ずっと

ずっと

考えていました

死ぬことも考えました

だけどそれは

あなたへの罪を償うどころか

新たな傷を付けることになってしまうかも知れません

もっと

もっと考えました

考えて

考えて

私が差し出せる

最大の代償

それはこうして

生きた記録を残す事の権利を

放棄すること

あなたを傷付け続けた

私の過去の記録

私の生きた記録

それを今日、

私は放棄し

殺します

あなたにとっては

それはきっとくだらないものでしかなく、

そんなつまらない事で何を償うというのかと思う事でしょう

だけど私にとって

こうして言葉を綴る事は

やはり代えがたく大切なものだったのです

過去の記憶を大切にしてたのは

あなたが考えている様な

前の夫や前の人達を愛してしてたからだとか

そんな理由じゃない

そのときどきの私を

これからの私へ残す為の

未来への贈り物だった

12年間の記憶

これからの記録

大切だった総てを

何より大切なあなたに捧げます

許してくれなくていい

恨んでくれていい

だからどうか

私のこの気持ちだけは

信じてください

本当に、申し訳ありませんでした

流し屋モン太

菜々

まりもさん

ゴムーン少年

ゆうや

2015年3月20日

享年12歳